ルイ・イカールはアールデコ時代にフランスで活躍した画家であり、時代の空気を今に伝える重要な作品を数多く残した。イカールは華やかな女性たちを繊細で優雅なタッチで表現し、第一次世界大戦を生き抜いた独自の戦争観でエッチング作品を多く生みだした。中でも、イカールの絵に出てくる女性は皆、妖艶な魅力をかもしだす。1950年62歳で没するまで、数々の作品を世に送り出し続けた。作品の大半は銅版画で、複雑なテクニックを駆使し、手彩色を加えるなどして、心理の微妙なきらめき、時代の趣味やリズムが生き生きと反映されたものとなっている. |
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ルイ・イカール略年譜
1888年9月12日 南フランス、トゥールーズ市に生まれる。
1905年(17歳) パリで絵はがき工房の仕事を得る。エッチングやリトグラフなどの技術を習得。
1912年(24歳) バルセロナで最初の個展
1913年(25歳) ワグラム画廊がイカールの作品をアメリカ合衆国に販売。
1914年(26歳) ゲント(ベルギー)の展覧会に出品、栄誉賞受賞
1918年(30歳) 第一次世界大戦が終わり、11月復員。
1920年(32歳) ファニー・ヴォルメールと正式に結婚。シモンソン画廊で油彩画の個展。
1922年(34歳) ニューヨークの百貨店の画廊ベルメゾンで個展。
1923年(35歳) アメリカ合衆国内の個展巡回のためフィラデルフィアへ。
1927年(39歳) レジオン・ドヌール5等勲章受章。
1932年(44歳) ニューヨークのメトロポリタン画廊で油彩画の展覧会。
1933年(45歳) デュマ・フィス作「椿姫」のポスター制作。
1940年(52歳) ドイツ軍侵攻をテーマにした連作「エクソダス」を制作。
1944年(56歳) パリ解放とともに版画制作再開。
1950年(62歳) 12月30日モンマルトルの自宅で死去。